#16 蔦屋重三郎展に行きました!

今週日曜日まで、上野の東京国立美術館で開催中の

「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」に行ってきました!


大学時代に浮世絵と文楽に出会ったおかげで人生の豊かさが増したので

今回の展覧会はとても楽しみでした。

これに行くと決まってからNHKオンデマンドに登録して、一週間で大河ドラマ「べらぼう」を全部観ました。今3周目です。


本当にありがたいことに、仲の良い友人が大学で草双紙(江戸の娯楽本)を専攻していたので、解説付きで観てきました!

友人が卒論で書いたという作品がとても面白かったのでご紹介します!


『江戸生艶気樺焼』(えどうまれうわきのかばやき)

山東京伝作・北尾政演画

北尾政演は山東京伝の別名なので、この作品は山東京伝が一人で作画を行なったものです。


『江戸生艶氣樺焼』(東京都立中央図書館所蔵)

出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100053766

金持ちの息子・艶二郎(えんじろう)が、本に登場する色男に憧れて

とにかくモテようとするお話です。


とはいえ本当に女性に好かれたいというわけではなく、

「艶二郎がモテている」という噂を広まらせたいということで

金にものを言わせて色々と画策するんですね。


艶二郎は顔が不細工で、それを表すのがこの団子鼻!

浮世絵は鼻筋が通ってすっきりしている絵が一般的ですよね。

この特徴的な団子鼻は、当時不細工の象徴として流行したのだそうです。

不細工でだらしないけど、どこか憎めないような愛らしさがある

かわいい絵ですね〜。


ちなみに艶二郎がモテているフリとしてどんなことをしたかというと…

身体に架空の彼女20〜30人の名前の刺青を彫って、

痛いのを堪えて「色男になるのも大変だ〜」と言ったり

女に家に押しかけられたい!ということで

おえんという近所の芸者に50両(約400万円)ものお金を払って

家に押しかけてもらって

「艶二郎さんに一目惚れしました!嫁にしてくれないなら死ぬ覚悟です」

などというセリフを言わせたり

これが隣の家にすら伝わっていなかったので、

瓦版を雇って、艶二郎の家に女が押しかけたという記事を書かせて無料で配ったり

なんとしてでも色男と思われたい!という艶二郎の執念が伝わってきます。


まだまだ面白い話が続くのですが、このあたりにしておきましょう。


これは黄表紙(絵を主として、文字で簡単な説明をする滑稽な文学)の代表作として

大ヒットしたんだそうです。

今で言う漫画の原型ですね。


1行に1文字しか書いていない部分もあり、少々レイアウト的な読みづらさはありますが

表情豊かで滑稽さが感じられる楽しい作品です。


艶二郎、アホなんですよね〜

こんなにわかりやすくて可愛いアホ、そりゃみんな大好きになってしまいますね。

おえんが押しかけてきたところなんて、他の人が

(なんで艶二郎…??人違いじゃないのか?)と神妙な顔つきをしている中で

一人だけ「てへっ( ´ ▽ ` )」みたいな顔してますもんね。

愛され力って無敵ですからね。


浮世絵を描けるようになりたいとかねてより思っておりましたが、

草双紙の絵は庶民的でかわいいものが多いので、これも練習してみようと思います。

それと変体仮名が5文字くらいしか読めなくてかなり悔しいので、

しっかり勉強しようと思いました。


いつか変体仮名と草双紙風の絵で、現代人にわからないように

悪口を書くっていうのをやってみたいですね。

後藤真采ブログ

奈良県出身。 お笑いと字を書くこととおでんが好き! 歩くのが速いです。 大学卒業後、2年間働いていました。 残業が月250時間を超えることもあったので 普通の人よりブラック耐性はあるかと思います。 面白いもの、楽しいことを全部自分でつくりたい!と思い 上京し、デザインの専門学校に通っています。 映像、デザイン、企画、なんでもやります。 よろしくお願いします。

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